遊ぶために必要な準備
文:瀬戸エイジ+坂本雅之/アーカム・メンバーズイラスト:海野なまこ

いっしょに遊ぶ仲間を見つけよう
クトゥルフ神話TRPGを遊ぶためにはキーパーと探索者を務めるプレイヤーが必要です! まずは友達の中から探してみましょう。お互いに親しい間柄だったり、TRPGやゲームに興味のある友達であれば申し分ありません。
もしプレイヤー候補が周りにいなければ、公式Discordサーバーを覗いてみたり、
インターネットで募集
をしたり、
誰でも参加できるようなゲーム会
に行って仲間を見つけるとよいでしょう。
コミュニケーションは日常生活でも大事ですが、言葉でやり取りし、参加者同士で協力して物語を創造していくTRPGでは 非常に重要な要素です。
特に初対面の相手とプレイする際は配慮しましょう。プレイの前にゲームの好みやシナリオのトーン、好ましくない描写(過度に残酷な描写など)などをお互い理解するよう努力しましょう。繰り返しになりますが、TRPGでは参加者同士の協力が重要なのです。
ルールブックを手に入れよう

TRPGを楽しむためにはルールブックが必要です。ルールブックにはゲームの遊び方や心構えなどの共通認識、背景世界、探索者の作り方、邪神やクリーチャーのデータ、呪文やアーティファクトなどが書かれています。シナリオも収録されています。
ルールブックの最新版は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』(新版、通称『7版』とも呼ばれています)です。この前身となる『クトゥルフ神話TRPG』(クラシック版、通称『6版』)もあり、今でも多くの人に親しまれています。
公式のサポートは基本最新版に合わせているので、ゼロから始めるのなら、新版が断然オススメです。新版はクラシック版のシナリオやデータを簡単にコンバート(変換)できるようになっていますので、基本的には新版を買って不便することはないでしょう。
ただし、もしもプレイヤーとしてゲームに参加するときは、キーパーに「どちらのルールブックを買えばよいか」を必ず事前に確認してください。
TRPGの初心者だという人には、無料の『新クトゥルフ神話TRPG クイックスタート・ルール』がオススメです。
ルールブックについて詳しくはこちら
キーパーならシナリオを用意して流れをチェック
探索者(プレイヤー)として遊ぶなら不要ですが、キーパーをするならシナリオの準備が欠かせません。
人気のシナリオを遊びたい気持ちもわかりますが、初めての場合は短時間で遊べる簡単なシナリオを試してみてはいかがでしょうか?(「悪霊の家」「コーヒー一杯分の恐怖」は動画配信などでも有名な人気シナリオなので知っている方が多いかも? なお、プレイヤーで遊びたい方はシナリオや動画を見てしまうとネタバレになるのでご注意!)
「亜麻色の幕が下りて」は有料ではありますが、サンプル探索者が付属しているので、初心者キーパー+初めて遊ぶという人でも遊びやすい内容となっています。
遊びたいシナリオを入手したら、ルールを確認しながらシナリオを読んで全体の流れをチェックしておきましょう。
シナリオタイトル | ポイント | 入手方法 |
---|---|---|
惑いの森 凍てつく呼び声 大いなる浮上 灰色の侵略 寝台特急プレアデスの悪夢 |
ボードゲーム感覚の「1/10スケール」シリーズ。キーパーは無料の『クイックスタート・ルール』のP4~P6を読めば大体OK。1/10専用の探索者(キャラクター)が付属し、参加者に説明する内容も少なく、1時間程度で遊べます。(体験コラム) | 公式サイト(無料) |
赤い窓 | 新版(7版)ルールのシナリオ。キーパー1人、プレイヤー1人の計2名で、1~2時間ほどで遊べるコンパクトなシナリオ。初心者キーパー、初心者プレイヤーにおすすめ。(体験コラム) | 公式サイト(無料)、アプリ |
コーヒー一杯分の恐怖 | 新版ルール。ある喫茶店での出来事。日本の一軒家の中が舞台なので、初心者キーパーも遊びやすいです。プレイヤー2~3人で1時間程度で楽しめます。探索者(キャラクター。後述します)は自分で用意する必要があります。 | 公式サイト(無料)、書籍『ビブリオテーク13』(有料) |
悪霊の家 | クトゥルフホラーの定番。新版、クラシック版(6版)両方があります。探索者(キャラクター)は自分で用意する必要があります。 | 新版『クイックスタート・ルール』(無料)、クラシック版『クトゥルフ神話TRPG』(有料) |
亜麻色の幕が下りて | 新版ルールのシナリオ。サンプル探索者(キャラクター)のシートやプレイヤーへのインストラクションが付属。クトゥルフ神話TRPGがはじめての人同士でも楽しみやすくなっています。 | BOOTH(有料) |
ダイス、探索者シートと筆記用具も準備
技能などの判定にはダイスが欠かせません。4面、6面、8面、10面ダイスなどがあります。6面ダイスは3個、10面ダイスは2個あるとよいでしょう。ゲームを扱うショップやネット通販で買うことができます。1セット用意して順番に使うこともできますが、慣れてきたらひとり1セットあると良いでしょう。
また、ブランクの探索者シートと筆記用具も必要です。数値を書き換えることもあるので、消せるものがよいでしょう。そのほか、ゲーム中の情報を記録するメモもあると便利です。
ちなみにオンラインで遊ぶ場合、ダイスや探索者シートは、専用サービスもあるので活用するのもよいでしょう。
探索者(キャラクター)について…
シナリオに参加するプレイヤーキャラクターのことを「探索者」と言います。
探索者は自分でつくることもできますが、すぐにシナリオを遊びたいときや、慣れないうちは「サンプル探索者」を使うのも良いでしょう。配布中のサンプル探索者のほか、シナリオ「惑いの森」や「亜麻色の幕が下りて」などに収録されています。
なお、探索者は、
新版、クラシック版、1/10版の3種類があり、シナリオに対応した探索者が必要です。
ひとまずは、最初のうちはシナリオに収録されている探索者を使い、慣れてきたら収録探索者を少しアレンジしたり、自分で探索者を作ることに挑戦すると良いでしょう。
みんなで協力してゲームを楽しむ気持ち
おつかれさまでした!
ここまで来たらあとは遊ぶだけ! オフラインであればメンバーの予定を調整して集まる日時を決めておきましょう。
オンラインで遊ぶときは音声通話アプリやオンラインセッションツール、探索者データの準備や確認も大切です。もうちょっとだけ準備を頑張りましょう。
そして遊ぶときに大切なこと。“クトゥルフ神話TRPG”に勝敗はありません。たとえ探索者がひどい目に遭っても、ゲームの参加者が楽しめればゲームは成功です。
キーパーとほかのプレイヤー、あるいはプレイヤー同士は、相手を困らせようとしたり、言い負かそうとしてはいけません。みんなで協力して、みんなが楽しめる物語を創造しましょう!