『1/10クトゥルフ神話TRPG』で初めてのキーパーに挑戦!(シナリオ:惑いの森)


  “クトゥルフ神話TRPG”をやってみたいけど難しそう。
 そもそもTRPGってどうやって遊べばいいの?
 そんなあなたにお勧めなのが『1/10スケール・クトゥルフ神話TRPG』。TRPG未経験の「深キン」が、誰でも簡単にTRPGが楽しめると聞いて挑戦しました!

テキスト:深キン(ふかきん)with アーカム・メンバーズ
イラスト:海野なまこ、黒瀬仁(マップ、カード)

『1/10クトゥルフ』で“クトゥルフ神話TRPG”の雰囲気がつかめる!


『1/10クトゥルフ』を遊ぶだけなら、『クイックスタート』の4~7ページを読むだけで十分。

“クトゥルフ神話TRPG”をやってみたい。
でも、なるべく手軽に始めたい!

 そんな都合のいいことを考えていたら、いいものを見つけました。
『1/10スケール・クトゥルフ神話TRPG(以下、『1/10クトゥルフ』)』という、“クトゥルフ神話TRPG”を簡略化したゲームです。

 必要なものはすべて無料でダウンロードできて、1時間くらいで遊べるそうです。TRPGは時間がかかりそうなイメージでしたが、これならお手軽ですね。

 実は“クトゥルフ神話TRPG”をやってみたいといっても、「人と人が会話して進めていくゲーム」くらいのことしか知りません。インターネットにはいろいろ情報がありますが、どこから始めていいのか……。

 アプリで「新クトゥルフ神話TRPG クイックスタート・ルールパック」が無料で閲覧できるので、最初のほうや大事そうなところだけでも読んでおこうっと。

はじめに〜TRPGとは
クイックスタート・ルールのダウンロード
アプリのダウンロード

『1/10クトゥルフ』を遊ぶ準備!


 いよいよ『1/10クトゥルフ』を遊びます。複数のシナリオが公開されており、どれも「シナリオ」のページからダウンロードできます。
 今回は「惑いの森」を遊んでみることにします。

  ダウンロードしたファイルの「惑いの森_Manual.pdf」には、みんなが巻き込まれる事件、登場する恐ろしい怪物の説明、あと『1/10クトゥルフ』の遊び方も書いてあります。
 とりあえずざっと全体に目を通しておきましょう。あとで読み返せばいいので、内容を覚える必要なんてありません。
 ほかのファイルはゲーム中に使うマップやカードなどですね。すべてプリントアウトしておきます。
 これで準備はおしまい。あとは思い切ってやってみるだけです!

動画で「惑いの森」を観る!

「惑いの森」を遊んだ様子を動画で観ることもできます。

『クトゥルフ神話TRPG』声優三人娘がバーチャルキャストで遊ぶ!
 バーチャルキャストを使って、声優の桃河りかさん、高杉薫さん、柳原利香さんが遊んだ様子です。

VTuber『クトゥルフ神話TRPG』KP白上フブキと『惑いの森』で遊ぶ!
 白上フブキさんがキーパーで、ロボ子さん、夏色まつりさん、赤井はあとさんが遊んだ様子です。

 どちらも一部を無料で観ることができますので、ぜひ楽しんでください。

友達を誘っていよいよスタート!

 TRPGには一緒に遊んでくれる友達が必要! ゲームが好きな友達に声をかけてみたら、前からTRPGに興味があったという人もいて、なんと4人も集まってくれました。『1/10クトゥルフ』は事前に準備してもらうことはないので、みんなも気軽に参加してくれたようです。

 遊ぶ場所は、自分の部屋です。ここがいちばん落ち着けますから。
 みんなが集まったら、マップやペンが置けるテーブル、ジュースやお菓子を用意して、いよいよ『1/10クトゥルフ』の開始です。キーパーは私!

「惑いの森」1巡目:これならできそう!

 ゲームを説明し、担当する探索者を決めたら物語の始まりです!『1/10クトゥルフ』にはキーパーが話すせりふがちゃんと用意されているので、それを読み上げます。



探索者がたどり着いた小屋。この図を見ながら、プレイヤーは気になるものを自由に調べていく。


キーパー(以下KP):

「――簡単な鍛冶場らしき設備もあるが、こんな山奥で、いったい小屋の持ち主は何をしていたのだろう?」というわけで、みなさんは怪しい小屋に到着しました。

パワー:

この地図の小屋だね。いろいろ描いてあるな。

ブレイン:

小屋にはショウコさん独りなの?

バランス:

何か出そう!

ラッキー:

ショウコさんはじめまして!

KP:

待って、一人ずつお願い。最初の手番はパワーだよ。どうしますか?

パワー:

えーと、何をすればいいのかな……。

KP:

この地図で、なにか気になるものはある?

パワー:

気になるものか……小屋の持ち主のことを知りたいから、机をあさってみていい?

KP:

(机は⑧か……)うん、大丈夫。えーと、「古びた小屋にしては、立派なアンティーク調の机だ。引き出しにはしっかりと鍵が掛かっており、簡単には開けられない――」

パワー:

簡単に開けられないというなら、頑張ったら開くのでは?

ブレイン:

そういうことなの!?

KP:

えーと、この引き出しは……あっ、力づくでも開けられるみたいですね。

ブレイン:

ホントに!?

パワー:

力づくならパワーの出番だ。やってみよう!

ブレイン:

いきなり乱暴なことになっているけど、大丈夫かなぁ?


 ブレインの心配をよそに、パワーの〈格闘〉によって、引き出しはバラバラに破壊されました。中から出てきたのは『グハーン断章』という、英語の怪しげな本です。

パワー:

本が手に入ったけど、英語の本なんて読める気がしない。

KP:

とりあえず、その本を見つけたところで、パワーの手番はおしまい。次はブレインの手番ですね。

ブレイン:

オカルトが好きなブレインとしては、その本は興味ありますね~。

パワー:

読みたいならあげるよ。

ブレイン:

うう~ん、読んではみたいけど、そんなのんびりしていていいのかな。今はもっと小屋を調べたほうがいいのかも。

パワー:

そんな気もする。

ブレイン:

迷う……迷うけど、ここは小屋の中を調べます。



パワーに続いて、みんなも小屋を調べて回り、本やいろいろな道具をゲット。TRPGといっても普段どおりに思いついたことを言えばいいんだね。


魔道書とも呼ばれる本には、クトゥルフ神話に関する禁断の知識が記されているという。


道具を使えば、行動の成功率が高くなることもある。ランプは隠されたものを見つけやすくする。

「惑いの森」2巡目:探索者のやりとりが面白い!

最初は緊張していたけど、調子が出てきたぞ。キーパーって面白いね。


KP:

これで4人全員が行動したので、手番は最初のパワーに戻って、2巡目の始まりです。

パワー:

……そういえば、この小屋には先客がいなかったっけ?

KP:

いたよ! 忘れないであげて!

バランス:

確か、ショウコって言ってたような。

KP:

覚えていてくれてよかった。みんなに無視されて、ずっと独りで小屋の隅にいたんだから!

バランス:

いきなりドヤドヤと4人でやってきて、机の引き出しを壊したり、部屋をあさったりするなんて……強盗だと思われていそう。

ブレイン:

でも、最初にやったのはパワーさんだから……私たちは、パワーさんにつられただけだから……。

パワー:

変な誤解されては困るから、今さらだけど彼女に声をかけよう。

KP:

パワーは、どんなふうに声をかけてみます?

パワー:

最初に会ったとき、彼女、なんか言ってなかった?

KP:

みなさんを見て「よかった、次は私かと思った」と、つぶやいていましたね。

ブレイン:

なんか意味深な言葉ですよね。実は、この人すごく怪しいかも。

バランス:

なぜ今まで無視していたのか。最初に声をかけるべきだったのでは?

パワー:

だったら、彼女に「次は私かと思った」というのは、どういう意味なのか聞いてみよう。すごく気になる言葉だ。

KP:

(シナリオには、なんて書いてあるかな)えーと、ショウコに話しかけるのなら、〈外見〉か〈説得〉のどちらか得意なほうに成功しないとダメみたい。

ブレイン:

意外とガードが堅いですね!

パワー:

どちらも苦手なんだけど、まだ〈外見〉のほうがマシかな。コロコロ……出た目は「8」だから、失敗だっ!

KP:

だったら、ショウコはぷいっとパワーから目をそらしました。

ブレイン:

嫌われましたね。

パワー:

なんでだよー! 強盗じゃないぞー!

KP:

(今のパワーの反応、なんかかわいい)ショウコは「そんなこと言いましたっけ?」って、そっぽをむいてとぼけています。

パワー:

いやっ、絶対に言ってたってば!

ブレイン:

まあまあ、そんなに怖い顔をしないで。

KP:

残念だけど、これでパワーの手番はおしまいですね。

パワー:

うう~、誰かこういうの得意な人はいないの?

ブレイン:

実はブレインは〈説得〉がすっごく得意なんですよ~。

パワー:

そうだったのか!

ブレイン:

「この人は別に怖くないですよ~。私たちは怪しい者ではありません。みんなでここから脱出しましょう!」と、励ますように語りかけます。

パワー:

なんかブレインの引き立て役にされた気がする。

KP:

それならブレインは〈説得〉でロールしてくれますか(さっきのパワーの伝えかたもわかりやすくてよかったけど、ブレインみたいに探索者のせりふを言ってくれるのも雰囲気が出ていいなぁ)。

ブレイン:

コロコロ……出た目は「8」ですが、ブレインは〈説得〉が得意なので「8」でも成功です!

KP:

それならショウコは安心した顔をします。ブレインの質問なら答えてくれそうですね。

ブレイン:

どうです。これが人徳の差というやつです。

パワー:

筋力なら……筋力で会話できれば負けないのに。




NPC(探索者以外の登場キャラクター)のショウコを使って探索者と会話するのは楽しいですね。ショウコにそっぽを向かれたときのパワーの反応は面白かった!

「惑いの森」3巡目:初の〈正気度〉ロール!

 ブレインの〈説得〉が成功したおかげで、ショウコから「次々と仲間が消えていった」という大事な話が聞けました。
 この小屋がちっとも安全ではないことがわかって、みんなに緊張が走ります。


KP:

3巡目になって、パワーの手番ですね。

パワー:

小屋を調べるのもいいけど、いなくなったショウコの仲間を探してあげたい。さっき怖がらせてしまったし。

ブレイン:

彼女のご機嫌を取りたいわけですね。

パワー:

そういうのじゃなくて!

KP:

(ショウコの仲間を探すなんて、シナリオには書いていないんだけど、どうしよう……)

パワー:

ショウコは仲間の行方を知らないのかな?

KP:

えーと、ショウコは仲間について、「外のトイレに行ったきり帰ってこないの」と言ってます(シナリオには書いていないけど、このくらいは教えちゃっていいか)。

パワー:

ふーん。だったら外のトイレを見てこようか。

KP:

あっ、トイレに行ってくれるんだ~。

ブレイン:

なんかキーパーがうれしそうにしている!

パワー:

用心したほうがよさそうだ。外に出る前に、さっきバランスがゲットした「ランプ」を借りていい?

バランス:

もちろんです。気をつけてくださいね。



 実は、そのトイレには恐ろしい怪物が潜んでいます。探索者の反応が楽しみです(ワクワク)。


KP:

――トイレの穴からは、「テケリリ」という鳥の鳴き声のような音が聞こえてきました。

パワー:

トイレから鳥の鳴き声? なんで!?

KP:

すぐに逃げるか、このまま様子を見るか、どっちにしますか~?(怪物を出したいよ~かもーん!)

バランス:

それ絶対にやばいヤツが隠れてますよ!

ラッキー:

パワーさん、逃げてー!

パワー:

でも、逃げたらなにも情報が得られないからなぁ。

ブレイン:

せっかくここまで来たのに、それはもったいないかも。

パワー:

よしっ、ここは様子を見よう。これがショウコの仲間をさらったヤツなら、その正体を見ておきたい。

ブレイン:

パワーさん、かっこいい!

パワー:

もし戦闘になったとしても、パワーの筋力ならなんとかなる気がする。

KP:

(よし!)それでは……パワーがトイレの穴を見つめていると、そこから人の太ももくらいはある巨大なヒルのようなものが這い出してきました!

パワー:

ええっ、こんなのが鳥みたいな声を出していたの?

KP:

そんな怪物を見てしまったパワーは〈正気度〉ロールをしてください!

パワー:

とうとうそれがきたか!

KP:

えーと、〈正気度〉ロールはダイスをふって、結果が今の正気度の数値以下だったら成功になるみたいですね。パワーさんの正気度はいくつですか?

パワー:

正気度は……6だね。

KP:

じゃあ、「6」以下が出れば成功です。

パワー:

コロコロ……よしっ、ダイスの結果が「2」だったので成功。よかったぁ~!

KP:

でも、この怪物はとても恐ろしいので、成功しても正気度は1ポイント減ってしまうんですねー。

パワー:

ううっ、正気度の残りが5になってしまった。

ブレイン:

パワーさん、こんなヤツは蹴り飛ばしてやってください!

パワー:

トイレから出てきたヤツに触るのは嫌だなぁ。そうだ、バランスから借りたランプを怪物にたたきつけて、火で追っ払えないかな?

KP:

えーと、パワーがランプをたたきつけると……飛び散ったオイルに引火します。

パワー:

これでどうだぁ!?

KP:

怪物は火を避けるように、ちょっとだけトイレの穴に引っ込みます。

パワー:

よしっ、今のうちに脱出するぞ!

KP:

はい、大丈夫です。パワーは無事にトイレから出られます(今の場面は、まるで映画みたいでよかったなぁ)。

ブレイン:

パワーさんが無事で戻れそうでよかったぁ。



 シナリオには〈回避〉に成功しないと怪物に殴られることになっているけど、パワーさんのアイデアがいい感じだったんでそれでいきました。こうして自分だけの物語になっていくんだね!

「惑いの森」4巡目:なんだかんだで協力プレイ

 パワーがトイレを調べている間、ほかのみんなは『グハーン断章』の解読に成功! 森を脱出する手掛りをつかめたのです!


ブレイン:

森にある印のせいで、私たちは道に迷ったみたいですね。

バランス:

それをどうにかすれば、森から脱出できるはず!

ラッキー:

でも、どこにあるの。もう最後の手番だよ。間に合うのかな。

パワー:

印のことは、外にいるパワーも知っていていい?

KP:

仲間が手に入れた情報は、全員が知っていていいですよ。

パワー:

だったら、トイレから小屋に戻る前に、ついでに森の中に怪しい印がないか探したいな。

KP:

えーと、それなら〈目星〉ですね。

パワー:

コロコロ……ダメだぁ、失敗!

KP:

ありゃ、それでは印は見つかりませんでした。

パワー:

貴重な最後の手番を無駄にしてしまった。トイレのほうに印はないのかも。

KP:

次の手番はブレインですね。どうしますか?

ブレイン:

私もパワーさんと同じように、森の中に印がないか探したいです。

パワー:

「小屋の裏手は探したから、入り口のほうを探してみてくれ」と、ブレインに声をかけよう。

ブレイン:

「わかりました。では、こっちを探します」と応えてから、入り口のほうを調べてみますね。

ラッキー:

なんだかんだ言って、パワーとブレインは息がぴったり。

バランス:

パワーが突撃して、ブレインがそのフォローしてるって感じ。

ブレイン:

入り口の前にある、この大きな木が怪しいと思うんですよね。ここを集中して探したいな。

KP:

えーと、その木をよく探すなら……ブレインの〈目星〉の数値をプラス1していいですよ(2人が協力しているんでオマケしてあげよっと)。

ブレイン:

おおーっ、これでかなり成功しやすくなりました。ありがたい!

パワー:

先に探したのが無駄にならなくてよかった。ブレイン、頼む。見つけてくれ~!



 探索者同士のチームワークがあると、また新しい物語が生まれて、ゲームがもっと面白くなるね。キーパーも応援しなくちゃね。

「惑いの森」クライマックス:恐怖は終わらない

 みんなが協力したおかげで、「迷いを誘発する印」を見つけて、木から取り外すことに成功!
 そして、とうとうクライマックス。不定形のおぞましい怪物、ショゴスが井戸から登場します!


KP:

ここからは手番の順ではなく、全員に何をしたいのか聞いてから、まとめて処理します。よく相談して、どうするか決めてください。

パワー:

井戸にこんな大きな怪物が隠れていたなんて……。

バランス:

絶対にやばいヤツです。戦っても勝ち目はなさそう。

ブレイン:

とにかく逃げるしかないのでは?

KP:

普通に逃げるだけだと、途中で全員が怪物に1回ずつ殴られそうですね。この怪物、ウネウネした触手がたくさん生えていますので。

ブレイン:

怖すぎます……。

KP:

でも、なにか工夫をすれば攻撃されずに逃げられるかも(トイレのときのパワーみたいに、またアイデアを出してくれるといいな)。

パワー:

工夫か……頭を使うのは苦手なんだけど。

ブレイン:

じゃあ、筋力で考えて!

パワー:

筋力にもできないことがあるよ。

KP:

(状況を整理してあげたほうがいいかな)さっき「迷いを誘発する印」を外したおかげで、森から脱出するルートはわかった気がします。

バランス:

うんうん、そうだよね。印を外したとき、道路を走る車の音が聞こえたもの。

KP:

ですが、みなさんが小屋から出たとたん、怪物が襲いかかってくるという感じです。

ブレイン:

耐久力の低い私が怪物に殴られたら、ひとたまりもないです。

KP:

殴られずに逃げるには、これまで手に入れた道具が役立つかもしれませんよ。この小屋で起きたことにも、助かるヒントがあるかもしれません。

バランス:

うーん、少し整理して考えてみますか。

パワー:

これまで手に入れた道具や情報のカードを集めて、ここに並べよう。

KP:

ショウコは「この道具を使って、あの怪物の注意を引けないかな?」と言っています。

ブレイン:

怪物の注意を引く道具なんてあるかな?

パワー:

さっきのトイレでは、怪物は火にひるんでいたようだが――

ブレイン:

あっ、それですよ!

KP:

(んんっ、なんかひらめいたのかな?)

ブレイン:

あの怪物は、火が弱点なんですよ!

バランス:

そうか、火か! どおりでこの小屋には火をつけられそうなものがたくさんあると思った。

パワー:

なるほど。じゃあ、これを使って大きな火をおこせば、あの怪物も追い払えるかもしれないな。



 パワーのつぶやきがきっかけとなって、みんなの作戦はまとまりました。事前にゲットしていた「たいまつ」で小屋に火を放って、ショゴスをひるませようとしたのです。
 この作戦は大成功!
 大きな火にひるんだショゴスが動きを止めた隙に、みんなは無事に小屋から逃げ出しました。
 一安心したみんなに、キーパーの私は「行く手を濁流に阻まれた」と告げます。
 そう、まだ恐怖の物語は終わらないのです……。

「惑いの森」を終えてみて……

 みんながどんな結末を迎えたのか……それはゲームに参加した人たちだけが知っている物語。
 正直、途中でちょこちょことミスもしましたが、最初に「TRPGの目的は、みんなで楽しい時間を過ごすこと」だと伝えておいたおかげで、そんなの大した問題にはなりませんでした。
 それは、終わったあとみんながゲーム中に起きたことや、探索者のことを楽しそうに話しているのを見ていればわかります。人を楽しませることが、こんなにうれしいことだなんて……これは実際にキーパーをしてみないとわからない、初めての満足感でした。

 今回の「惑いの森」のほかにも『1/10クトゥルフ』のシナリオはいくつも無料公開されているので、また友達を誘って遊べます。
 それとも、さらにステップアップして本格的な『クイックスタート・ルール』に挑戦してみるのもいいですね。
 やればやるほどTRPGは面白くなっていきそう。これからもどんどん遊んでいきたいです。