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あらすじ

故郷の村は滅びた。一匹のばけものに食いつぶされたのだ。

山奥の村に住んでいた春之介は、村を滅ぼしたばけものに食い殺されるはずだった。
しかし、彼は見逃された。ばけもの――不知火の好物は、人間が抱く「悔恨」や「恐怖」。春之介には、そういった心の揺らぎがほとんどなかったのだ。
住処を失った春之介は、いずれ不知火の餌になることを決め、ともに旅に出ることにする。
美味しい人間を、不知火に食わせてやるために。

煙を吐く骨。湖を守る大蛇。人間の過去を覗く巨大な異形――様々な異形や人間に巡り合いながら旅を続けるうちに、いつしかふたりは依存を深めていく。
この旅路の果てでなにが起ころうと、ただふたりでい続けたい。
不知火をもう孤独にしたくない。

これは、人間を食うばけものと、ばけもののために生きる青年の、残酷で奇妙な旅路の物語。
個人的で些末で、大切なふたりだけの物語。





登場人物紹介


登場人物紹介

春之介

はるのすけ

山奥の村の生き残り。
自分の村を食いつぶしたばけものである不知火とともに生きることを決め、
「食われてもいい」という覚悟を持って旅をしている。


不知火

しらぬい

人間を食うばけもの。人間が発する「悔恨」や「恐怖」が大好物。
人と異形の間の子で、人間の姿と、異形の姿を持つ。


〈 旅の中で出逢う様々な異形 〉


けぶる骨

白い煙を吐く、骨の異形。団子を食わせようとしてくる。


満ちた蛇

縁切りの伝承がある湖に住む大蛇。


巨大な毛玉

人間の過去を覗くのが好きな毛玉の異形。


燐と巽

人間の女性と、鳥の異形。ハルたちのように、ふたりで旅をしている。




コメント

残酷で美しいふたりの逃避行 ──
熱狂の声、続出!

  • 淡い筆致が綴る世界は墨絵のようだ。世界に色はなくて、匂いもない。
    なのに血だけは色がある。ばけものだけは匂いがある。たべものだけは味がある。
    甲田学人
    『Missing』『ほうかごがかり』
  • 〈全国書店員さんの声〉
  • 不知火が美味いものを食えるよう、不知火が孤独に戻らないよう、行動の節々から滲む不知火への感情を〝愛〟の一言で表すのは簡単ですが、それではなんだか勿体ない気もして的確に表す言葉を上手く探せずにいます。
    〝化け物〟と呼ばれて然るべきなのは異形なのか、それとも人間なのか分からなくなります。
    その境界線が曖昧だからこそ面白さに深みを与えている感じもします。
    未来屋書店東員店 小山さま
  • 不知火の行動の変化が可愛いと思ってしまいました。
    隠れ里のような所が見つかって、二人で仲良く暮らして欲しいです。
    宮脇書店境港店 林さま
  • 怪しく、恐ろしく、不安定な世界観で優しくて美しいバランスがありました。
    未来屋書店幕張店 矢杉さま
  • こういう関係性、大好きです!
    ハルが不知火のために尽くす姿とか二人の空気感が伝わってくるようでした。
    友達や家族、相棒など不知火とハルのことは、読む人によって解釈がちがいそうで誰かと感想を言い合いたくなります。
    TSUTAYA BOOKSTORE A PIT京都四条店 福留さま
  • 恐ろしくもふけるような美しさを見せる異形と人間の旅路。
    ひとくせある異形や人間たちも妖しい雰囲気を漂わせ、どんな出会いが待っているのか楽しみながら読ませていただきました!
    幕張蔦屋書店 柴田さま
  • 一般的な善悪や倫理よりも先に互いの存在、共に在るためなら、他者の命や尊厳を顧みることさえ厭わない、その歪さと一途さが同時に描かれているところに強く惹かれました!
    紀伊國屋書店グランフロント大阪店 豊永さま



  • 書誌情報


    • 表紙:[raw|htmlEntityDecode]
      • 発売日 : 2026年7月24日
      • 定価:1,045円(本体950円+税)

      第32回電撃小説大賞《奨励賞》受賞。化物と青年が紡ぐ、怪異譚。

      ばけもの食道楽紀行

      • 著者:草森 ゆき

      行き着く先が地獄でも、みちづれになりたいひとがいる――。

      恐怖や悔恨を抱く人間を食うばけもの・不知火。彼に村を滅ぼされたが心の揺らぎがないため唯一見逃された青年・春之介。美しい不知火に魅入られた春之介は、いずれ彼の餌になることを決め、ともに旅に出る。
      美味しい人間を、不知火に食わせてやるために。
      煙を吐く骨の村、湖を守る大蛇、過去を覗く巨大な異形。ふたりは様々な異形や人間に巡り合い、不可思議な事件に巻き込まれていく――。
      ばけものと青年。孤独を抱える者同士の、ふたりっきりの旅路の物語。

      【登場キャラクター】
      ・春之介(はるのすけ)
      山奥の村の生き残り。
      自分の村を食いつぶしたばけものである不知火とともに生きることを決め、
      「食われてもいい」という覚悟を持って旅をしている。
      ・不知火(しらぬい)
      人間を食うばけもの。人間が発する「悔恨」や「恐怖」が大好物。
      人と異形の間の子で、人間の姿と、異形の姿を持つ。
      〈 旅の中で出逢う様々な異形 〉
      ・けぶる骨
      白い煙を吐く、骨の異形。団子を食わせようとしてくる。
      ・満ちた蛇
      縁切りの伝承がある湖に住む大蛇。
      ・巨大な毛玉
      人間の過去を覗くのが好きな毛玉の異形。
      ・燐と巽
      人間の女性と、鳥の異形。ハルたちのように、ふたりで旅をしている。

      • 発売日 : 2026年7月24日
      • 定価:1,045円(本体950円+税)
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